hoho!

みえないものをさわる

不意に

「君が其処に生きているという真実だけで幸福なのです」


父親と寄った古CD屋さんで買った椎名林檎さんが思わぬ悲しみをたたえていて、おどろいた。つい上体を起こして歌詞カードを見直してしまう。頭が締め付けられたように痛い!

彼は結局わたしのことを、しいなという仮名のままでよんでいるけれど、それはいけないと真剣に真剣に思った。


突然訪れる幸福は、幸福という名に相応しい幸福を連れてきてくれた。ついこのあいだまで言葉と言葉との間に、「寒い」という無駄な呻きが入っていたのに、いまや、気候のことを全く考えなくてよいような、ほんとうに中途半端な春の温度を、さらに暖かく感じたのは、彼と彼女がかけたマジックだったのでせうか。
だいすきなひとがふえていくのは只々幸せなことです。