hoho!

みえないものをさわる



目の前の人にとっての幸せはなんだろうと考える癖がある。真剣に考える。ピッタリなアイデアが浮かんだところで、納得して終わる。それはあくまでも想像に過ぎないけれど、なんだか真実のようなかがやきをもってる。


店で売ってるモンブランが女性の胸に見えるという話題が起こった。控えめなスポンジのうえに白っぽい栗のクリームがうずたかくのっていて、そのまたうえには茶色い、少し赤みを帯びた栗がちょこんとのっている。私はとっさに、え、乳首こんな色嫌だ!と言ったのだが、それは物議を醸すことになった。こんな色じゃないのかと。よくわからない。こんど銭湯に行った時にでも観察しようと思う。少なくともわたしはあんな色じゃない。


指先が切れて、水がしみてすごく痛い。じんつうのように痛い、といったら二児の母に咎められた。わたしはじんつうを経験したことないからわからない。けど痛い。人生最大の痛みがじんつうならわたしのこの痛みはじんつうにちがいない。そこでわたしは自分を度を越したマゾヒストだと思い込むことにした。身を裂くようなこのキリキリとした痛みがすべて失神してしまう程の快楽なのだ。そうなのだ。そう思ったらすこし楽になった気がした。一日中快楽にひたっている酔狂になった気がした。けど、それは気のせいだった。痛いからアロエクリーム塗ってる。