hoho!

みえないものをさわる

momo

モモ。ごめんね。
あ、あのね、ネパールの餃子がね、モモっていうんだって。かわいいよね。モモなんて。すごく美味しそうだったんだよ。肉汁が、じゅわって。‥わかった。こんな話ききたくないよね。
モモ。ごめんね。
わたしを罵倒してよ、モモ。
きみのこと、たくさん傷つけたね、寒い部屋の床に、おいたりして悪かったと思ってる。それにきみに向かい合うとわたしったら眠たくなっちゃって、きみのはなしを最後まで聞いてあげたことなんてなかったよね。でも、今までもそうだったんだよ。大抵のヒトたちは私に最後まで相手してもらうことなんてハナから望んでいないの。ほら、だからわたしの周りには誰ひとりとどまっていないでしょう、。開き直り?そうなのかもしれないね。もうきみはわたしのことを絶望しているんでしょう。そうだよね。

わたしは、ひどい人間だから、あなたを手放す時に出来るだけ罪悪感を軽くしたかったの。それであなたを隠すかのように、「妊娠カレンダー」と「山手線内回り」を抱えて、カウンターへ向かったんだ。正直、あなたを手放した瞬間になんだか心が軽くなった気がしたの。あなただってそうでしょう。もうあんな冷たい部屋に帰らなくていいんだから。でも心優しいあなたは、それよりも、新しくわたしの腕のなかに収まっている2冊を心底哀れんでいたんでしょうね、きっと。
また 会いましょう、モモ。
2週間でサヨナラって、はじめから教えてあげていればよかったね。ゴールが見えていたら、試練にも耐えやすかったよね。ごめんね。
あなたのことを本当に理解してくれる人が現れることを、無責任に願っておくわ。